丙夜
へいや
名詞
標準
third division of the night (approx. 11pm to 1am)
文例 · 用例
不好な處へいや/\ながら出かけて行くのかと怪まるゝばかり不承無承にプラツトホームを出て、紅帽に案内されて兔も角も茶屋に入つた。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
あんな、薄汚い新聞記者と、喧嘩させて、だまつて面白がつて見てゐやがつて、僕は、あんなやつとは、口きくのさへいやなんだぜ。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
第一、その臭ひをかぐのさへいやだと云ふ。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
ただ、あなたにさへいやみや皮肉をおつしやりさへしなければ。
— 伊藤野枝 『書簡 大杉栄宛』 青空文庫
誰かに――と云ふことだけはおしげによく解つてゐた、母親と、義理の父と云ふのさへいやな、母親の近頃の連れあひ新吉とに対する意地からにちがひなかつた。
— 武田麟太郎 『一の酉』 青空文庫
ところがいつからともなく彼女は、私の両親や人のいない時に限って私の前へいやに立って見せるようになって来た。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
ネッドは、油の海へいやというほど顔をおしつけられた。
— 海野十三 『火星探険』 青空文庫
おれは、今、ものをいふことさへいやなんだ。
— 岸田國士 『世界覗眼鏡』 青空文庫
作例 · 標準
丙夜の静寂の中、遠くから聞こえてくる夜鳴き蕎麦のチャルメラの音が妙に寂しげに響いた。
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古い屋敷のきしむ音が丙夜の廊下に響き渡り、見回りの警備員は思わず懐中電灯を握り直した。
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すでに丙夜を回っているというのに、締め切りに追われる彼の部屋からはまだキーボードを叩く音が漏れていた。
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