温情主義
おんじょうしゅぎ
名詞
標準
paternalism
文例 · 用例
) 青は鉱山主の温情主義から、坑の中に養われていた。
— 佐左木俊郎 『狂馬』 青空文庫
主張としては、幾分消極的ではあるが、温情主義と見るべきだった。
— 佐左木俊郎 『黒い地帯』 青空文庫
いわゆる社会政策と称せられる施設、温情主義、妥協主義の実施などはすべてそれである。
— 有島武郎 『広津氏に答う』 青空文庫
なぜならば、かくばかり純粋な人の心の趨向がなかったならば、社会政策も温情主義も人間の心には起こりえなかったであろうから。
— 有島武郎 『広津氏に答う』 青空文庫
多少變つたところがあつたとすれば、昔から、大正の末から近年まで絶え間なかつた地主と小作の間のもめ事の起るずつと以前から、わしは温情主義で、わしところの貢米はほかに較べて少し安かつたといふぐらゐのもんだ。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
温情主義で搾取して、慈善設備でプロレタリアの母から子を奪う資本主義の文明をわれわれは徹底的に批判しなければならない。
— 宮本百合子 『「市の無料産院」と「身の上相談」』 青空文庫
意見は種々様々で、中には軍隊のそれにも劣らない厳重苛酷な態度をよしとするものもあれば、そうかと思うと温情主義を振りかざしているものもあった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
松田さん、どんな病気で入院をしているのかしら、遠くから考えると、涙の出るようないいひとなのだけれども、会うとムッとする松田さんの温情主義、こいつが一番苦手なのだ。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫