専一
せんいち異読 せんいつ
形容動詞名詞
標準
exclusively
文例 · 用例
あせらず御養生専一にねがいます。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
己よりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。
— 中島敦 『山月記』 青空文庫
自然は暴虐を専一とする兵馬の英雄の如きにあらず、一方に於て風雨雷電を駆つて吾人を困しましむると同時に、他方に於ては、美妙なる絶対的のものをあらはして吾人を楽しましむるなり。
— 北村透谷 『人生に相渉るとは何の謂ぞ』 青空文庫
」二 主人の医学士は、実は健康を損ねたため、保養かたがた暢気を専一に、ここに業を開いているのであるが、久しぶりのこの都の客と、対談が発奮んで、晩酌の量を過したので、もう奥座敷で、ごろりと横の、そのまま夢になりそうな様子だった折から、細君もただそれだけにして、「どうぞ御緩り。
— 泉鏡花 『沼夫人』 青空文庫
その調剤の次第については種々聞き書きまた考え置いた事もあるが、自分の家代々長生なりしに、父がよせば善いのに一代分限を起して割合に世を早くしたから、父も儲けざあ死ぬるまい、金が敵の世の中と悟り、あいなるべく金の儲からぬ工夫を専一にしおれば、余り金になりそうな話をするを好まぬ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
彼女が今日たずねて来たのは、娘の顔を見たさが専一ではあったが、娘の口振りに因っては、この不安心な屋敷から暇を貰おうという相談を持出そうかと内々考えていないでもなかった。
— 岡本綺堂 『番町皿屋敷』 青空文庫
奉公を専一に気をつけろ」 春の寒い風が兄妹のそそけた鬢を吹いて通った。
— 岡本綺堂 『籠釣瓶』 青空文庫
どこまでもおとなしくあの人の機嫌を取って、見捨てられないようにする工夫が専一だと、いつにない、弱い心持ちにもなった。
— 岡本綺堂 『両国の秋』 青空文庫
作例 · 標準
彼は専一に研究に専念した。
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