寸秒
すんびょう
名詞
標準
a moment
文例 · 用例
お浦を救ふのには一刻を争ふ、寸秒を惜む。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
そういうすべての要素を具備しているのが、この手働四輪車でして、その犯行は寸秒の間に、声を立てる間がなかったほど恐ろしい速度で行われたのでした。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
実は、あの晩の神意審問会と同様の出来事が、以前にも一度繰り返されたことがあったのです」とレヴェズ氏は顔を引き緊め、つい寸秒前に行われた、法水との黙劇を忘れたかのように、語りはじめたものがあった。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
それでなくとも、鼻翼や目窪や瞳の光りなどにも、何となく、目前の不吉を予知しているような兆が現れているので、最早寸秒さえも吝まなくてはならぬ時期に達しているのではないかと思われた。
— 小栗虫太郎 『絶景万国博覧会』 青空文庫
戸外へ置き残してきた好天気が莫迦に気がかりで、この屋内の薄暗さが寸秒も堪えられぬものに思はれた。
— 坂口安吾 『竹藪の家』 青空文庫
寒気のために、全身の顫えがとゞまらず、鼻から、口から、まったく寸秒の暇なく洟汁が流れ、こみあげ、私は吐き気のために、そして、それを抑えるために、胃がねじくれ、意識が、苦痛以外には、すべて、失われるようであった。
— 坂口安吾 『小さな山羊の記録』 青空文庫
重ねたる足の落ちたるは、わずかに寸秒の間なり。
— 井上円了 『妖怪学』 青空文庫
白粉の匂と変ってほのかな体臭、――少し不規則な寝息、それは藤波金三郎に挑むのでは無く、処女の本能的な恐怖のせいとわかって居ても、金三郎の全注意を捉えて、寸秒のやすらいも与えないのでした。
— 白髪の恋 『奇談クラブ〔戦後版〕』 青空文庫
作例 · 標準
救急救命の現場では、寸秒を争う判断が患者の生死を分けることも珍しくない。
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プロのカメラマンは、寸秒のシャッターチャンスも逃さないよう、常に周囲に気を配っている。
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「寸秒も無駄にできない」と、締め切り間際の編集者は必死の形相でパソコンに向かった。
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