置き去り
おきざり
名詞頻度ランク #17025 · 青空 292 例
標準
leaving behind
文例 · 用例
そして俺は今夜はどうなるかわからない」 私は私の置き去りにして来た憂鬱な部屋を思い浮かべた。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
私は泣くこともわめくこともできません、これは皆な罰だと思いますと、母のやつれた姿や、孕んだまま置き去りにして来たお幸の姿などが眼の前に現われるのでございます。
— 国木田独歩 『女難』 青空文庫
悠久な天地は悠久なままで、しかも人を置き去りにして過ぎ去って行く。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
すると得意になって肩肘張り、なおも世に高名を求めようとする側の自分は取り残して行く未解決の側の自分を努めて忘れ去ろうとし、また未解決の側の重苦しい自分は忘れられて置き去りになるまいと、藻掻き、しきりに真面目で憐れな自分を見せつけ見せつけ縋りつくのである。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
ばかばかしい、銭を出して、あの醜態を見せられて、置き去りを吃うやつもないものだ」「全くそうでごさいますよ。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
子供のことであるから、あるいは自分たちを置き去りにして先に行ったのかとも思ったので、二人は若さまの名を呼びながら後を追ったが、半町ほどの間にそれらしい影は見えなかった。
— 朝顔屋敷 『半七捕物帳』 青空文庫
脱衣場を出ると、鶴雄は宮子を浴室へ置き去りにして、廊下伝いに応接室へ帽子を取りに行った。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
主人公の婆さんは三十いくつかの年に罹った熱病以来、腰が抜けて立ち居が不自由になると、生れて間もない娘を置き去りにして亭主が逃げてしまったので、田畠を売り払ってここで茶店を開いた。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
作例 · 標準
例句