谷地
やち
名詞
標準
marsh land
文例 · 用例
小渋川よりも、川幅が狭くて、谷地が、かえって濶いだけに、徒渉の回数は少い、深山の渓流としては、先ず安楽な方で、小渋川や、槍ヶ岳の蒲田谷などとは、深さと、急と、嶮しさとにおいて、到底、比べられない。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
それが谷地の池水を距ててA―丘の後へ入りかける夕陽を眺めているときででもあると(湊の生れた家もこの辺の地勢に似た都会の一隅にあった。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
この時に当たってである、実に函館全市を焼き払うためにおよそ考え得らるべき最適当の地点と思われる最風上の谷地頭町から最初の火の手が上がったのである。
— 寺田寅彦 『函館の大火について』 青空文庫
一人は丁度、五百歩ばかり離れたぐちゃぐちゃの谷地の中に住んでゐる土神で一人はいつも野原の南の方からやって来る茶いろの狐だったのです。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫
そしてたうとうこらへ切れなくなって、吠えるやうにうなって荒々しく自分の谷地に帰って行ったのでした。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫
その時谷地の南の方から一人の木樵がやって来ました。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫
三つ森山の方へ稼ぎに出るらしく谷地のふちに沿った細い路を大股に行くのでしたがやっぱり土神のことは知ってゐたと見えて時々気づかはしさうに土神の祠の方を見てゐました。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫
すると奇体なことは木樵はみちを歩いてゐると思ひながらだんだん谷地の中に踏み込んで来るやうでした。
— 宮沢賢治 『土神と狐』 青空文庫
作例 · 標準
湿原の広がる谷地は、珍しい植物の宝庫だ。
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谷地を開墾して農地にするのは、大変な労力が必要だった。
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谷地の奥には、ひっそりと佇む小さな集落があった。
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