棒手振り
ぼてふり
名詞
標準
Edo-era street merchant who carried wares hanging from a pole, hawking them in the street
文例 · 用例
七之助は魚商で、盤台をかついで毎日方々の得意先を売りあるいていたが、今年|二十歳になる若いものが見得も振りもかまわずに真っ黒になって稼いでいるので、棒手振りの小商いながらもひどい不自由をすることもなくて、母子ふたりが水いらずで仲よく暮していた。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
疾く既に式場に着し候ひけむ、風聞によれば、市内各処における労働者、たとへばぼてふり、車夫、日傭取などいふものの総人数をあげたる、意匠の俄に候とよ。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
堺無宿の宿無団七と言ふ、――元、ぼてふりの――名を持つた浮浪人と言ふ特殊な境遇に在る主人公である。
— 折口信夫 『涼み芝居と怪談』 青空文庫
如何にも、市井の無頼らしい感激と、虚栄とに、鋭い刹那をひらめかす九郎兵衛は、ぼてふりの肴屋である。
— 折口信夫 『辻の立ち咄』 青空文庫
……二 ことのついでにいってしまえば、もと西巻は、日本橋の石町、銀町、伝馬町……その界隈を担いであるくぼてふりの肴やだった。
— 久保田万太郎 『春泥』 青空文庫
長屋の水口でおかみさんが魚屋と云ってもぼてふりから鰯を買っているところ、水口の描写、と書いた札の下っている隣家の様子、なかなかリアリスティックなのですが、中心になるおかみさんがこの家のおかみとして※たけていすぎるのです。
— 一九三七年(昭和十二年) 『獄中への手紙』 青空文庫
それが毎日ぼてふりをして稼いでいる、毎朝まっ暗なじぶんに起きて河岸へゆき、雨も雪もお構いなしに魚を売って歩く。
— 山本周五郎 『ちゃん』 青空文庫
」と、たちまち漁師のすべてから、買出し人、ぼてふりの小商人まで寄りたかッて来て。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
作例 · 標準
棒手振りが行き交う賑やかな通りは、江戸の風情を色濃く残していた。
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早朝から棒手振りの威勢の良い声が、長屋に響き渡った。
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子供の頃、棒手振りが売りに来る飴を楽しみにしていたものだ。
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