不案内
ふあんない
形容動詞名詞
標準
ignorance
文例 · 用例
土地不案内に加えて、右往左往した上、乗った船もここにはやてを除け、かしこに凪ぎを待つという進み方なので山の祖神の翁の上に人間の歳月の半年以上は早くも経ってしまった。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
どういふ風に書くものやら全然不案内であつたがチヨークで書いた畫を見たことは度々あり、たゞこれまで自分で書かないのは到底未だ自分どもの力に及ばぬものとあきらめて居たからなので、志村があの位ゐ書けるなら自分も幾干か出來るだらうと思つたのである。
— 国木田独歩 『畫の悲み』 青空文庫
どういう風に書くものやら全然不案内であったがチョークで書いた画を見たことは度々あり、ただこれまで自分で書かないのは到底まだ自分どもの力に及ばぬものとあきらめていたからなので、志村があの位い書けるなら自分も幾干か出来るだろうと思ったのである。
— 国木田独歩 『画の悲み』 青空文庫
この方面に関しては私ははなはだ不案内であるが上述の所説の行きがかり上少しばかり蛇足を加えることを許されたい。
— 寺田寅彦 『日本人の自然観』 青空文庫
それはとにかく、自分たち平生科学の研究に従事しているものが全然専門の知識に不案内な素人からいろいろの問題について質問を受けて答弁を求められる場合に、どうかすると時々ちょうどこのヤルカンドの歯医者の体験したのとよく似た困難を体験することがある。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
「ヨシヨシ、こんな家へ泊るな」とばかり出かけたが、さて宿屋といっては、土地不案内であるからどこがよいかわからぬ。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
……そのうち場所の事だから、別に知り合でもないが、柳橋のらしい藝妓が、青山の知邊へ遁げるのだけれど、途中不案内だし、一人ぢや可恐いから、兄さん送つて下さいな、といつたので、おい、合點と、乘せるのでないから、そのまゝ荷車を道端にうつちやつて、手をひくやうにしておくり屆けた。
— 泉鏡太郎 『十六夜』 青空文庫
途次、彼の世に聞えた鬼門關を過ぎようとして、不案内の道に踏迷つて、漸と辿着いたのが此の古廟で、べろんと額の禿げた大王が、正面に口を赫と開けてござる、うら枯れ野に唯一つ、閻魔堂の心細さ。
— 泉鏡太郎 『みつ柏』 青空文庫
作例 · 標準
この地域は道が不案内なので、地図が手放せない。
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