疎
おろ
接頭辞頻度ランク #30096 · 青空 504 例
標準
incompletely
文例 · 用例
犬や小鳥やの動物は、単に鼻を嗅ぎ合うとか、尾を振り合うとか、目をちょっと見合すとかいうだけで、相互の意志が完全に疎通するのに、人間は廻りくどく長たらしい会話をして、しかもなお容易に意志を通じ得ない。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
流し口の穴のつまったのをこうして疎通させる工夫と見える。
— 寺田寅彦 『病院風景』 青空文庫
人ようよう散じて後れ帰るもの疎なり。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
といふやうな極度の嫌惡が、その時の兎の顏にありありと見えてゐるのに、しかし、とかく招かれざる客といふものは、その訪問先の主人の、こんな憎惡感に氣附く事はなはだ疎いものである。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
矢車草、車百合、ドウダンなどが、栂や白樺の、疎らな木立の下に、もやもやと茂っている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
栂、樅、唐檜、白樺などは、山の崕に多く、水辺には、川楊や、土俗、水ドロの木などが、疎に、翠の髪を梳っている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
私の登った北米のフッド火山は、大なる氷河が幾筋となく山頂から流れているにもかかわらず、麓の高原は乾き切って、砂埃とゴロタ石の間に栽培した柑橘類の樹木が、疎らに立っているばかり。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
太郎坊附近の、黄紅朱樺の疎らな短木の中を、霧は幾筋にもなって、組んず、ほぐれつして、その尖端が愛鷹山の方向へと流れて行く、振り返れば、箱根|火山彙には、雲が低く垂れて、乙女峠から金時山の腰へかけて、大河の逆流するばかり、山と山との間は、幾つにも朝雲が屯ろして、支流が虚空の方々に出来る。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫