火難
かなん
名詞
標準
fire disaster
文例 · 用例
彼の名はヤコフ・イリイッチと云って、身体の出来が人竝外れて大きい、容貌は謂わばカザン寺院の縁日で売る火難盗賊除けのペテロの画像見た様で、太い眉の下に上睫の一直線になった大きな眼が二つ。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
わが邦幸いに従来大字ごとに神社あり仏閣ありて人民の労働を慰め、信仰の念を高むると同時に、一挙して和楽慰安の所を与えつつ、また地震、火難等の折に臨んで避難の地を準備したるなり。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
当夜の火元は柳屋ではなく、かえってその不祥の兆に神経を悩まして、もの狂わしく、井戸端で火難消滅の水垢離を取って、裸体のまま表通まで駆け出すこともあった、天理教信心の婆々の内の麁匆火であった事と。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
火難以来ここにはじめてめぐり逢った。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
人間のからだでいえば病気じゃ、火難が家の死であらば水難は家の病気じゃなどと空想にふけりながら予は仮床へ帰った。
— 伊藤左千夫 『水籠』 青空文庫
すべてかくのごとく小むずかしく縺れ絡んだ蛇の画を、護符として諸多の災害を避くるは、イタリアに限らず、例せば一切経中に見る火難|除けの符画も、熟視るとやはり蛇の画だ。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
この年の大火難と、大正拾貳年の關東大震災とは、橋をへだて世をへだてて、兩岸に偶然なおなじ出來ごとがあつたのだつた。
— 長谷川時雨 『花火と大川端』 青空文庫
なぜかといふに僕は昨冬、火難に遭つて以来、全く前途の光明を失つてゐたからである。
— 斎藤茂吉 『遍路』 青空文庫
作例 · 標準
江戸の町は木造家屋が密集していたため、一度火難が起きると街全体が灰燼に帰した。
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この神社で授かった御札は、火難除けのご利益があるとして台所の高い位置に祀っている。
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空気が乾燥する冬場は火の扱いに十分用心し、火難を未然に防ぐよう町内で呼びかけた。
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