俗趣味
ぞくしゅみ
名詞
標準
vulgar taste
文例 · 用例
然るにその後、勝太郎の「ハア小唄」になつてくると、もはや「酒は涙か」のロマネスクや青年性は失はれて、年増女の淫猥な情痴感や感傷性やが、大衆の卑俗趣味に迎合するやうになつて来た。
— 萩原朔太郎 『流行歌曲について』 青空文庫
あの戯作者的、床屋俳句的卑俗趣味の流行した江戸末期に、蕪村が時潮の外に孤立させられ、殆んど理解者を持ち得なかったことは、むしろ当然すぎるほど当然だった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
これに反して詩人は、概してそうした世俗趣味を持たないため、小説を書こうとしても題材がなく、より超俗的な詩の方に這入ってしまう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
二十何年ぶりかで鹽原へ來て、前の鹽原より今の鹽原が便利で、そして平安であるのみならず、到るところ清潔になつて、しかも幸に俗趣味にも墮せぬ公園的の美に仙郷的の幽を兼ねた土地と發達したのを見て、愉悦の情に堪へぬ氣がした。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
五 それに比べれば、イブセンが通俗趣味に強要せられて結末を變更した、有名な改作の『人形の家』では、親子の愛といふもので解決を與へて、問題を問題としないうちに揉み消してしまつた。
— 島村抱月 『『人形の家』解説』 青空文庫
もし女に俗物性があるというなら、ハウスキーピングのこの俗趣味を自分でこわせばいい。
— 一九四八年(昭和二十三年) 『日記』 青空文庫
たしかに、演劇を堕落せしめた一半の責任は卑俗趣味のバツコである。
— 岸田國士 『劇文学は何処へ行くか』 青空文庫
そして、その卑俗趣味こそは、教養なき観衆と、これを食ひものにする営利的興行者なのである。
— 岸田國士 『劇文学は何処へ行くか』 青空文庫
作例 · 標準
彼は、俗趣味なものを集めるのが好きで、部屋には奇妙な置物が溢れていた。
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彼女は、一般的な流行には乗らず、自分なりの俗趣味を楽しんでいる。
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芸術家である父は、息子が俗趣味なものばかり好むことに頭を抱えていた。
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