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松風

まつかぜ異読 しょうふう
名詞
1
標準
(sound of) wind blowing through pine trees
文例 · 用例
渝らぬ契りの誰れなれや千年の松風颯々として血汐は殘らぬ草葉の緑と枯れわたる霜の色かなしく照らし出だす月一片何の恨みや吊ふらん此處鴛鴦の塚の上に。
— 樋口一葉 『別れ霜』 青空文庫
――どの品にも一風流あって面白いが、わけてこの蛙の絵を描いた松風の歌の茶道具一揃いが俗を離れて飄逸じゃ。
— 岡本かの子 『ある日の蓮月尼』 青空文庫
松風が寂として、夜が更けたのに心着くほど、まだ一声も人を呼んでは見ないのであった。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
来るか、来るかと浜に出て見れば、浜の松風音ばかり。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
颯――と頸から、爪さきまで、膚を徹して、冷く、静に、この梢をあれへ通う、梢と梢で谺を打って、耳近に、しかも幽に松風が渡って響く、氷の糸のような調律である。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
…… 旧藩の頃にね、――謡好きのお武家が、川べりのその土塀の処を、夜更けて、松風、とかをうたって通ると、どこかそこの塀の中――中ならいいんですけど、壁が口を利くように、ウウと、つけ謡でうたうんですとさ。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
月ならぬ眞晝の緋葉を潛つて、仰げば同じ姿に、遠く高き峰の緋葉は蒼空を舞つて海に散る……を鹿なく此の山里と詠じけむ嵯峨のあたりの秋の頃――峰の嵐か松風か、尋ぬる人の琴の音か、覺束なく思ひ、駒を早めて行くほどに―― カーン、カーンと鉦の音が細く響く。
— 泉鏡太郎 『麻を刈る』 青空文庫
針の稱に、青柳、女郎花、松風、羽衣、夕顏、日中、日暮、螢は光る。
— 泉鏡太郎 『木菟俗見』 青空文庫
作例 · 標準
静かな月夜、どこからか聞こえてくる松風の音が、旅人の心をさらに寂しくさせた。
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海辺の松原を散歩していると、松風の心地よい響きが波の音と混ざり合って聞こえる。
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古い詩の中で、松風は不変の友情や高潔な魂を象徴するものとしてしばしば詠まれてきた。
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2
標準
(sound of) steam whistling in a kettle (at a tea ceremony)
作例 · 標準
茶室の中に、釜から立ち上がる松風の音が微かに響き、主人の点前が始まった。
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「お釜の鳴る音が松風に例えられるなんて、茶道の世界は本当に風流ですね。」
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炭の火加減を調節し、理想的な松風の音が聞こえてくるのをじっと待つ。
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3
標準
matsukaze
作例 · 標準
熊本の銘菓である松風は、日本一薄いお菓子と言われるほどの繊細な食感が特徴だ。
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お茶請けとして出された松風は、ケシの実の香ばしさと優しい甘さが口の中に広がった。
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「この松風は、裏側に何もついていないことから『裏(浦)には松風のみ』という意味が込められているんだよ。」
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ウィキペディア曖昧さ回避

松風(まつかぜ)は、松林にうちつける風。日本の古典文芸において「松風」(まつかぜ)は、うら(=浦)寂しい海岸の情景を表すものとして用いられた。また和歌では「待つ」の掛詞として使われた。 以下、これにまつわる同名(同表記「松風」または同音「まつかぜ」)の項目を列記する。特記しない限り、読みは「まつかぜ」である。

日本の古典文学に関連する事項
日本の企業名
その他