回折
かいせつ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
diffraction
文例 · 用例
これに反して音の場合には音波が頭で回折されるから、一つの耳の反対の側から来る音でもその耳に到達する。
— 寺田寅彦 『耳と目』 青空文庫
それは雑音の中に含まれるいろいろな波長の音波が、それぞれ回折や分散の模様のちがうために起こる現象である。
— 寺田寅彦 『耳と目』 青空文庫
音と光との回折や透過に関する差違はトーキーでもすでにいろいろに利用されている。
— 寺田寅彦 『耳と目』 青空文庫
直射光線が気疎い回折光線にうつろいはじめる。
— 梶井基次郎 『冬の蠅』 青空文庫
おもしろいのは音の回折の事実を述べてある所に、ホイゲンスの原理に似た考えが認められる。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
私は昔ある場所の入学試験の問題として、音波と光波の見かけの上の回折の差を証明する事を求めたが、正解らしい要点に触れたものはまれであった。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
たとえば電子波回折の実験がX光線回折の実験の行なわれたころにすでに行なわれたというような事も、それ自身において必ずしも不可能でなかったと思われるから、もしもそうであったとしたら、その後の物理学界の動きはよほど実際とは違ったものになったのではないかと想像されるのである。
— 寺田寅彦 『物理学圏外の物理的現象』 青空文庫
菊地氏は、電子の集合である陰極線を、薄い雲母板を通過させて、回折像を写真にとったのだが、これはラウエ斑点が丁度X線の波動性を立証したと同じに、陰極線の回折が、電子の波動性を決めたのは面白い。
— 戸坂潤 『現代日本の思想対立』 青空文庫