自在鉤
じざいかぎ
名詞
標準
pothook (for hanging a pot, etc. over a fire)
文例 · 用例
為作は源吉を囲炉裏の傍へ坐らして、自在鉤にかけてある鍋の中から夕飯を盛って喫わした。
— 田中貢太郎 『放生津物語』 青空文庫
で、旅僧は其の鍋の中へ米と水を入れて、地炉の自在鉤にかけた後で左右の足を踏み延ばして、それを炉縁に当て何時の間にか傍に来ていた鉈で、膝節から薪を割るようにびしゃびしゃと叩き切って、其の切れを地炉の中にくべると、火が盛んに燃えだして鍋の飯が煮立って来た。
— 田中貢太郎 『怪しき旅僧』 青空文庫
主人は自在鉤につるして火の上にかけてあった茶釜から、茶を汲んでくれました。
— 田中貢太郎 『死人の手』 青空文庫
そして、その所々には、クルージイと呼ばれて魚油を点す壁灯や、長い鎖のついた分銅を垂している、古風な時計などが掛けられているのだから、もしそこに石炉や自在鉤や紡車が置かれてあったり、煤けた天井に、腹を開いた燻製の魚などが吊されているとすれば、誰あろうがこの家を、信心深い北海の漁家とみるに相違ない。
— 小栗虫太郎 『潜航艇「鷹の城」』 青空文庫
自在鉤には薬缶が掛かり薬缶の下では火が燃えている。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
板敷には囲炉裡が切ってあり、自在鉤にかけられてある薬罐からは、湯気が立っていた。
— 国枝史郎 『猿ヶ京片耳伝説』 青空文庫
大きな囲炉裏の自在鉤の向うから、ひと摘みほどのちょん髷をのっけた白髪のおじいさんが上端までころげ出して来て、「おお、弥之じゃ、弥之じゃ。
— 久生十蘭 『生霊』 青空文庫
大きな囲炉裏、自在鉤、焚火がドカドカ燃えていて、茶釜がシンシンと煮えている。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
作例 · 標準
自在鉤の魚の形をした横木を動かして、鍋の高さを火に近づけた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
田舎の祖父母の家には、今も現役で使われている自在鉤がある。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
自在鉤に吊るされた鍋から、美味しそうな味噌汁の香りが漂ってきた。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview