かぎ
かぎ
名詞
標準
文例 · 用例
時間のゆるすかぎり、糟谷は近郷の人の依頼に応じて家蓄の疾病を見てやっていた。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
「おとうさん、おとうさん」「とんちゃん、とんちゃん」 糟谷はきょうにかぎって、それがうるさくてたまらないけれど、子煩悩な自分が、毎朝かならず出勤のまえに、こうして子どもを寵愛してきたのであるから、無心な子どもは例のごとく父にかわいがられようとするのを、どうもしかりとばすこともできない。
— 伊藤左千夫 『老獣医』 青空文庫
此牛はきょうにかぎらずいつでもはみかえしをやる度に涎を出すのはきまって居るのだ。
— 伊藤左千夫 『牛舎の日記』 青空文庫
民子を先に僕が後に、とぼとぼ畑を出掛けた時は、日は早く松の梢をかぎりかけた。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
この種に属するものは、これにあたる仮名を五十音図に宛てて見ると左の通り、イエオの三段にかぎられて、ア段とウ段とにはないのである。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
これについての私の調査はまだ極めて不完全であるが、私が気づいた例の中最も古いのは『落窪物語』の文であって、同書には「面白の駒」と渾名せられた兵部少輔について、「首いと長うて顔つき駒のやうにて鼻のいらゝぎたる事かぎりなし。
— 橋本進吉 『駒のいななき』 青空文庫
されば私の詩を讀む人は、ひとへに私の言葉のかげに、この哀切かぎりなきえれぢいを聽くであらう。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
つかれた生涯のあぢない晝にも孤獨の暗い部屋の中にもしぜんとやはらかく そよげる窓の光はきたるいきほひたかぶる機能の昂進そは世に艶めけるおもひのかぎりだ勇氣にあふれる希望のすべてだ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫