心して
こころして
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文例 · 用例
『文学なぞは早晩地上から跡を絶つに決つてゐるもので、今猶文学なぞに執心してゐる奴は愚物に限る』なぞ。
— 中原中也 『非文学的文士』 青空文庫
妹の苦しみを見かねて、私が、これから毎日、M・Tの筆蹟を真似て、妹の死ぬる日まで、手紙を書き、下手な和歌を、苦心してつくり、それから晩の六時には、こっそり塀の外へ出て、口笛吹こうと思っていたのです。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
私は、そう信じて安心しておりたいのでございますけれども、どうも、年とって来ると、物慾が起り、信仰も薄らいでまいって、いけないと存じます。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
酒を飲まぬ事と一度も外で泊った事のないのを下宿の主婦が感心していた。
— 寺田寅彦 『まじょりか皿』 青空文庫
鼻眼鏡でぬうっと澄ましていて、そうして何でも実によく知っているルーベンスの傍に、無邪気で気軽く明るいプランクがいて、よくわれわれでも知っているような実験的の事実を知らないで質問する、若い連中が得意になってそれを説明するのを感心して謹聴していた。
— 寺田寅彦 『ベルリン大学(1909-1910)』 青空文庫
姉の家で普請をしていた時に、田舎から呼寄せられて離屋に宿泊していた大工の杢さんからも色々の話を聞かされたがこれにはずいぶん露骨な性的描写が入交じっていたが、重兵衛さんの場合には、聴衆の大部分が自分の子供であったためにそういう材料はことさらに用心して避けたものと思われる。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
五人女にも、於七が吉三のところへ夜決心してしのんで行って、突如、からからと鈴の音、たちまち小僧に、あれ、おじょうさんは、よいことを、と叫ばれ、ひたと両手合せて小僧にたのみいる、ところがあったと覚えているが、あの思わざる鈴の音には読むものすべて、はっと魂消したにちがいない。
— 太宰治 『音に就いて』 青空文庫
おまへの故郷の方には、小生の家の方から別に何とも言ふわけで無し、誰にも知れる氣づかひは無いのだから、安心して一度たづねてやつて下さい。
— 太宰治 『このごろ』 青空文庫