巨獣
きょじゅう
名詞
標準
large animal
文例 · 用例
室へ戻って、友人にハガキを書いていると、富士の雲が引いて取ったように幕を明け、銀磨きの万年雪が、巨獣の斑紋のように二筋三筋キラリと光って、夏の富士にして始めて見るところの、威嚇的な紫色が、抜打に稲妻でもひらめかしそうに、うつぼつと眉に迫って来る。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
……人間……狂人……超人……野獣……猛獣……怪獣……巨獣……それらの一切の力を物ともせぬ鉄の怒号……如何なる偉大なる精神をも一瞬の中に恐怖と死の錯覚の中に誘い込まねば措かぬ真黒な、残忍冷酷な呻吟が、到る処に転がりまわる。
— 夢野久作 『怪夢』 青空文庫
あの上古から中世の終にかけて、巨獣のように横行していた古典の叙事詩や劇詩の類は、何故に近代の初頭に於て、一時に消滅したのであろうか。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
彼は七つの金魚池の青い歪みの型を、太古の巨獣の足跡のように感じ、ぼんやりとその地上の美しい斑点に見とれていた。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
牛のような青年は、巨獣が小さい疵にも悩み易いように、常に彼もどろんとした憂鬱に陥っている。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
火口原の周囲を取巻いて、黒檜だとか駒ヶ岳とか薬師岳などという山々がありますが、半ば雪が解けていたり、蝙蝠型に雪が剥げたりして、一々の姿や面は変りながら、やはり何か太古の巨獣の膝蓋骨や臼歯が意趣あり気に置き並べられているようです。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
だが、陸に上って既に日に乾いたものは熊のように黄褐の毛が逆立ち、頬の髭が強く張って、いかにも獰猛な巨獣の相を現す。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
逞ましく牡牛のような巨獣の王が、また 首を高くもたげて仰いだ。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
作例 · 標準
古代の神話には、人知を超えた力を持つ巨獣が登場する。
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その未開のジャングルには、まだ発見されていない巨獣が潜んでいるかもしれない。
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子供向けの絵本で、心優しい巨獣が主人公の物語を読んだ。
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「うわっ、なんだあの巨獣は!?」と、ハンターたちは息をのんだ。
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