偕老
かいろう
名詞
標準
growing old together
文例 · 用例
想うに渠が雪のごとき膚には、剳青淋漓として、悪竜焔を吐くにあらざれば、寡なくも、その左の腕には、双枕に偕老の名や刻みたるべし。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
聞き兼ねけんと猜するまゝ、思ひ入りて擦る数珠の音の声澄みて、と復び言へば後は言はせず、君にて御坐せしよ、こはいかに、と涙に顫ふおろ/\声、言葉の文もしどろもどろに、身を投げ伏して取りつきたるは、声音に紛ふかたも無き其昔偕老同穴の契り深かりし我が妻なり。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
これは人情の自然、まことに止むを得ないところで、エイ子にはビー子とシー子の存在を秘密にして偕老同穴を誓っている。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
否、彼人のみかは、我も或は生涯の願を遂げ、即興詩人の名を成して、偕老の契を全うせしならんか。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
私の此土に在りての最終の祈祷、彼土に往きての最初の祈祷は、君が御上と、私の徒らに願ひてえ果さず、その人の幸ありて成し遂げ給ふなる、君が偕老の契の上とに在るのみなることを、御承知下され度存。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
かくて虎十七歳十郎二十歳の冬よりも三年が間|偕老の契り浅からず云々」とありと引いた。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
現在、死人の戸籍に這入っているその少女は、近いうちに自分のシャン振りと負けず劣らずの、ステキ滅法界もない玉の如き美少年と、偕老同穴の契を結ぶ事になっているのだ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
偕老を契約したる妻が之を争うは正当防禦にこそあれ。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫