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幽冥

ゆうめい
名詞
1
標準
semidarkness
文例 · 用例
測られぬ風の力で底無き大洋をあおって地軸と戦う浜の嵐には、人間の弱い事、小さな事が名残もなく露われて、人の心は幽冥の境へ引寄せられ、こんな物も見るのだろうと思うた。
寺田寅彦 青空文庫
男は真先に世間外に、はた世間のあるのを知って、空想をして実現せしめんがために、身を以って直ちに幽冥に趣いたもののようであるが、婦人はまだ半信半疑でいるのは、それとなく胸中の鬱悶を漏らした、未来があるものと定り、霊魂の行末が極ったら、直ぐにあとを追おうと言った、言の端にも顕れていた。
泉鏡花 春昼後刻 青空文庫
と、猶ほ數行を書き加へて若し、吾等が不幸にして、此深山の露と消えもせば、他日貴下が、海底戰鬪艇の壯麗なる甲板より、仰いで芙蓉の峯を望み見ん時、乞ふ吾等五名の者に代りて、只一聲、大日本帝國の萬歳を唱へよ、吾等も亦た幽冥より其聲に和せん。
押川春浪 海島冐檢奇譚 海底軍艦 青空文庫
声々に、可哀に、寂しく、遠方を幽に、――そして幽冥の界を暗から闇へ捜廻ると言った、厄年十九の娘の名は、お稲と云ったのを鋭く聞いた――仔細あって忘れられぬ人の名なのであるから。
泉鏡花 陽炎座 青空文庫
おおその時、その時、その破壞された家の下から、どんな一つの物悲しい言葉が聽えてくるか――一つの怪奇な木偶の靈魂は、かれの細長い舌を以てすら「幽冥に於ける思想」を語るであらう。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
五 神巫たちは、数々、顕霊を示し、幽冥を通じて、俗人を驚かし、郷土に一種の権力をさえ把持すること、今も昔に、そんなにかわりなく、奥羽地方は、特に多い、と聞く。
泉鏡花 神鷺之巻 青空文庫
パータリセの家の死んだ一族が多勢、森の中から寝室へ来て、少年を幽冥界へ呼んだのだと。
中島敦 光と風と夢 青空文庫
非常な無神論者で、鬼神変化幽冥果報というようなことを口にする者があると、かたっぱしから折破して、決して神霊の存在を許さなかった。
田中貢太郎 令狐生冥夢録 青空文庫
作例 · 標準
幽冥の森には、得体の知れない生物が潜んでいるという伝説がある。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
洞窟の奥深くは幽冥で、懐中電灯がなければ何も見えなかった。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
幽冥の空間に響く、不気味な物音に彼は身をすくめた。
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