空地
くうち
名詞頻度ランク #36416 · 青空 1869 例
標準
vacant land
文例 · 用例
或時神明館の横の空地に、軽業が掛かつた。
— 中原中也 『金沢の思ひ出』 青空文庫
2猫が鳴いてゐた、みんなが寝静まると、隣りの空地で、そこの暗がりで、まことに緊密でゆつたりと細い声で、ゆつたりと細い声で闇の中で鳴いてゐた。
— 中原中也 『曇つた秋』 青空文庫
古寺やほうろく捨てる芹の中 荒廃した寺の裏庭に、芥捨場のような空地がある。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
さうして、その空地や、新しく均らされた土の上には、亜鉛屋根だの、軒燈だの、白木の門などが出来て、今まで真鍮の鋲を打つたやうな星の光もどうやら鈍くなり、電気燈が晃々とつくやうになつた。
— 小島烏水 『亡びゆく森』 青空文庫
道端、街角、寸隙の空地、あらゆる所に樅の小林が樹ちます。
— 岡本かの子 『伯林の降誕祭』 青空文庫
そう思って庭を見ると、いつの間にか三人は庭の空地に来ておった。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
旅への誘いは、私の疲労した心の影に、とある空地に生えた青桐みたいな、無限の退屈した風景を映像させ、どこでも同一性の方則が反覆している、人間生活への味気ない嫌厭を感じさせるばかりになった。
— 散文詩風な小説 『猫町』 青空文庫
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、わたしのゆく道路の方角では、長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、道ばたの陰気な空地では、ひからびた草の葉つぱがしなしなとほそくうごいて居る。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫