花押
かおう
名詞
標準
written seal
文例 · 用例
で、廷珸の手へ託しては置いたが、金高ものでもあり、口が遠くて長くなる間に、どんな事が起らぬとも限らぬと思ったので、そこでなかなかウッカリしておらぬ男なので、その幅の知れないところへ予じめ自分の花押を記して置いて、勿論廷珸にもその事は秘しておったのである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
政宗が必死を覚悟して、金箔を押した磔刑柱を馬の前に立てて上洛したのは此時の事で、それがしの花押の鶺鴒の眼の睛は一月に三たび処を易えまする、此の書面の花押はそれがしの致したるには無之、と云い抜けたのも此時の事である。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
不思議や主人の花押は影も形も無かつた。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
ひどく目立ったD――の花押のある、大きな黒い封印があって、細かな女の筆蹟でD――大臣へ宛てたものだった。
— THE PURLOINED LETTER 『盗まれた手紙』 青空文庫
このほうは封印が大きくて、黒く、D――の花押があるし、あのほうは封印が小さくて、赤く、S――公爵家の紋章がある。
— THE PURLOINED LETTER 『盗まれた手紙』 青空文庫
それは僕が家で念入りに用意してきていたものなんだ、――パンでこさえた封印で造作もなくD――の花押をまねてね。
— THE PURLOINED LETTER 『盗まれた手紙』 青空文庫
また三十一章三十五節には「ああ我の言う所を聴き分るものあらまほし(わが花押ここにあり、願は全能者われに答え給え)」とある。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
一部後宇多帝の花押あり。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
作例 · 標準
豊臣秀吉の書状には、特徴的な花押が添えられている。
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この古文書にある花押は、江戸時代の名高い学者のものらしい。
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彼の描く現代美術の作品には、最後に小さな花押が記される。
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