話し上手
はなしじょうず
名詞形容動詞
標準
being good at conversation
文例 · 用例
」 博士はなかなか話し上手である。
— 岡本綺堂 『怪獣』 青空文庫
四 お話し上手のかたですと、これだけの筋道をもっと掻いつまんで要領を得るようにお話しが出来るのでございましょうが、わたくしの癖で、なんでも自分の見た通り、聞いた通りをありのままにお話し申さなければ、気が済まないように思われるもんですから、詰まらないことをついだらだらと長くなってしまいました。
— 岡本綺堂 『探偵夜話』 青空文庫
すばらしい話し上手で、この人が差し支へあつて出てこなかつた日は、会はさびしくて何だかもの足りない気持ちがした。
— 大正十四(一九二五)年 『茶話』 青空文庫
作者がある意味で話し上手で、楽な印象を与えるから、壺井さんの作品をよむと成程自分もこんな風にすらすら話して行けばいいのだと思えるかもしれないけれど、強ち誰にでもああ書けるものではない。
— 宮本百合子 『『暦』とその作者』 青空文庫
話し上手で、しゃれがうまくって、真面目で、それでいてどこか溌剌としたところのあるような妓だったが、今ではそのいろ/\な気質がなくなって、あとに真面目なところと感傷的なところだけが目に立って残った。
— 田山花袋 『日本橋附近』 青空文庫
「森」は云わば話し上手が、活々と、単純にノンセンスな、ユーモアと一種のリリシズムをもって女地主の家に起った話をして居るようだ。
— 観劇日記(一九二九―一九三〇年) 『日記』 青空文庫
そしてあんなにゴーリキイが愛して、命の糧のようにさえ思っていた話し上手のお祖母さんの写真さえ、ただ一枚スナップものこされていないという現実は、伸子に自分のお喋りの軽薄さを苦々しくかえりみさせた。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
こういう小説家たちが、みんな一種の語りて、お話し上手となってしまうのは不思議なこと。
— 一九四四年(昭和十九年) 『獄中への手紙』 青空文庫