錬鉄
れんてつ
名詞名詞-の形容詞
標準
wrought iron
文例 · 用例
楢、桂、山毛欅、樫、槻、大木大樹の其の齢幾干なるを知れないのが、蘚苔、蘿蔦を、烏金に、青銅に、錬鉄に、刻んで掛け、鋳て絡うて、左右も、前後も、森は山を包み、山は巌を畳み、巌は渓流を穿ち来る。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
右手に提げたる百錬鉄の剣は霜を浴び、月に映じて、年紀古れども錆色見えず、仰ぐに日の光も寒く輝き候。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
そのうちに米友も、夢からさめたように三昧境を出でるの時が来て、ホッと息をつくと、杖を松の樹に立てかけて、錬鉄の肌ににじむ玉のような汗を、腰にブラ下げた手拭で拭いにかかり、「うんとこ、とっちゃん、やっとこな」と言いました。
— 新月の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
さらにまた、底しれぬ絶谷の吐く息が、むらむらと湧き昇る時には、山は一歩退いて、縹いろの冷漿を浴びたごとくに陰り、しかも時おり、露を結んだ錬鉄の閃めきを射出す。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫
――見よ、錬鉄の禅杖が、かれの頭上にふりかぶられて、いまにも疾風をよぼうとしているのを!
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
怖るべき試合だ、木剣とは云え真剣に等しい――と思わず百|錬鉄ほど鍛えた肌に毛の根をよだたせたのであった。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
彼らは装毛のない兜をかぶり、練鉄の胸甲をつけ、皮袋にはいった鞍馬用ピストルと長剣とをつけていた。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
ジャヴェルはまっさきに馬車からおり、大門の上についてる番地を一目で見て取り、牡山羊とサチール神とが向かい合ってる古風な装飾のある練鉄の重い金槌を取って、案内の鐘を一つ激しくたたいた。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫
作例 · 標準
ヨーロッパの古い街並みには、美しい装飾が施された錬鉄の門扉やバルコニーが多く残っている。
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鋼鉄が大量生産されるようになる前は、建築物の構造材として錬鉄が広く使われていました。
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鍛冶職人が熱した錬鉄をハンマーで叩き、見事なバラのオブジェを作り上げた。
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ウィキペディア
錬鉄(れんてつ)とは、鋼鉄の大量生産の手法が発明される以前に、古典的な製鉄方法であるパドル法で最終生産物とされていた、鋼鉄よりも炭素の含有量が少ない鉄のことである。
出典: 錬鉄 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0