麝香
じゃこう異読 ジャコウ
名詞
標準
musk
文例 · 用例
香水、麝香、油煙、マニラの臭氣相混じて一種縁日臭を作り、靄々然として、人自らそが上を蹈み、そが中を歩めり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
道傍に並ぶ柱燈|人造麝香の広告なりと聞きてはますます嬉しからず。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
鴉毛の婦人やさしい鴉毛の婦人よわたしの家根裏の部屋にしのんできて麝香のなまめかしい匂ひをみたす貴女はふしぎな夜鳥木製の椅子にさびしくとまつてその嘴は心臟をついばみ 瞳孔はしづかな涙にあふれる夜鳥よこのせつない戀情はどこからくるかあなたの憂鬱なる衣裳をぬいで はや夜露の風に飛びされ。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
戀びとよ物言はぬ夢のなかなるまづしい乙女よいつもふたりでぴつたりとかたく寄りそひながらおまへのふしぎな麝香のにほひを感じながらさうして霧のふかい谷間の墓をたづねて行かうね。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
その匂ひは麝香のやうで 薄く汗ばんだ桃の花のやうにみえる。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
この密室の幕のかげをひそかに音もなくしのんでくる ひとつの青ざめたふしぎの情慾そはむしかへす麝香になやみくるしく はづかしく なまめかしき思ひのかぎりをしる。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
石竹と青猫みどりの石竹の花のかげに ひとつの幻の屍體は眠るその黒髮は床にながれて手足は力なく投げだされ 寢臺の上にあふむいてゐるこの密室の幕のかげをひそかに音もなくしのんでくる ひとつの青ざめたふしぎの情慾そはむしかへす麝香になやみくるしく はづかしく なまめかしき思ひのかぎりをしる。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
そつくりと口にあてて喰べてしまひたいなんといふすつきりとした指先のまるみだらう指と指との間に咲く このふしぎなる花の風情はどうだその匂ひは麝香のやうで 薄く汗ばんだ桃の花のやうにみえる。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
作例 · 標準
その香水からは、官能的な麝香の香りがした。
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古くから麝香は貴重な香料として珍重されてきた。
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動物性の香料である麝香は、独特の深みがある。
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ウィキペディア
麝香(じゃこう)は雄のジャコウジカの腹部にある香嚢(ジャコウ腺)から得られる分泌物を乾燥した香料、生薬の一種である。ムスク とも呼ばれる。
出典: 麝香 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0