衝角
しょうかく
名詞
標準
naval ram
文例 · 用例
けれど今日に於ては、海賊も餘程狡猾になつて、かゝる手段に出づる事は稀で、加ふるに海底潜水器の發明があつて以來、海賊船は多く其發明を應用して、若し漫々たる海洋の上に金銀財寳を滿載せる船を認めた時には、先づ砲又は衝角をもつて一撃の下に其船を撃沈し、後に潜水器を沈めて其財寳を引揚げる相である。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
第十五回 電光艇鼕々たる浪の音――投鎗に似た形――三尖衝角――新式魚形水雷――明鏡に映る海上海底の光景――空氣製造器――鐵舟先生の詩 武村兵曹は腰なる大鍵を索つて、鐵門の扉と開いた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
物の數にも足らぬ海獸なれど、あれを敵國の艦隊に譬ふれば如何にと、電光艇は矢庭に三尖衝角を運轉して、疾風電雷の如く突進すれば、あはれ、海の王なる巨鯨の五頭七頭は微塵となつて、浪を血汐に染めた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
其鋭利なる三尖衝角は空に閃く電光の如く賊船の右舷に霹靂萬雷の響あり、極惡無道の海蛇丸は遂に水煙を揚げて海底に沒し去つた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
日覆いの葭簾を三分ほどめくって、覗く隙間を慥えて待っていると、列を作った三匹の雄魚は順々に海戦の衝角突撃のようにして、一匹の雌魚を、柳のひげ根の束の中へ追い込もうとしている。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
この「水だま」の下方の花弁は櫓船の衝角のやうに癒著して雄蕊雌蕊を密封してゐる。
— 牧野信一 『卓上演説』 青空文庫
けれども囚はれた花嫁花婿に対して成熟の瞬間が到来すれば、この衝角はこれにとまる昆虫の重みにも撓み、と、黄金色の部屋は忽ち破裂して、はげしく、遠く、訪問者の上を越へて、いともきらびやかに、光彩の塵煙を吐き散らすのである。
— 牧野信一 『卓上演説』 青空文庫
マドロス煙管をギュウと引啣えた横一文字の口が、旧式軍艦の衝角みたいな巨大な顎と一所に、鋼鉄の噛締機そっくりの頑固な根性を露出している。
— 夢野久作 『難船小僧』 青空文庫
作例 · 標準
古代の海戦では、船首の衝角を敵船の横腹に突き立てる体当たり攻撃が主流だった。
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博物館に展示されている巨大な銅製の衝角を見て、当時の軍船の力強さを実感した。
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「この鋭い突起は何?」「これは衝角といって、敵の船を沈めるための船首の武器だよ」
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ウィキペディア
衝角 は、軍船の船首水線下に取り付けられる体当たり攻撃用の固定武装である。
出典: 衝角 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0