趣深い
おもむきぶかい
形容詞
標準
elegant
文例 · 用例
皆さんのやうな高級選士は、そのあらゆる解き方を探求してごらんになるのが興趣深いことでせう。
— 佐野昌一 『虫喰ひ算大會』 青空文庫
だから、気分的には新たなつよい、晴やかで情趣深い恋愛が求められているとしても、男女の社会関係の実体は、ふるい世界の鎖にからみつかれている有様である。
— 宮本百合子 『新しい一夫一婦』 青空文庫
持て来た毛布までかさねて、関翁と余等三人、川音を聞き/\趣深い天幕の夢を結んだ。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
「中売」以下は、それ/″\の寄席、寄席フアン百態として趣深い。
— 正岡容 『大正東京錦絵』 青空文庫
ほんとうに四季をとほして、しぐれ、粉雪、さゞめ雪、さうしたはつ冬の、鈍い、どんよりとあぐねつくしたしゞまの中に置いてみて、一ばん趣深い「松」だつたやう、おもはれてならない。
— 正岡容 『下町歳事記』 青空文庫
然るに極めて懶惰無頼なる市井の一文人たる私は明治初世の持凶器強盗清水定吉がのちにその情人たりし五分珠のお藤との最初の出会の舞台面としてのみ、専らここの卵塔場をば興趣深いものにおぼえてゐる。
— 正岡容 『山の手歳事記』 青空文庫
ここからユコマンペツ温泉への山路は、沼ノ平の水光連なる広大な高原、旭岳裾合谷の奇岩そばだつ幽邃な山谷をつらぬいて、姿見の池畔に出る趣深いもので、秋を告げる黒マメの木の紫果が、疲れた身に甘く染みた。
— 中村清太郎 『ある偃松の独白』 青空文庫