拙速
せっそく
形容動詞名詞頻度ランク #30119 · 青空 18 例
標準
rough-and-ready
文例 · 用例
いい意味での善良な国民、穏和な意味でのプロレタリアは、実際めいめいのまじめな仕事に真剣に従事している限り、拙速主義の疑わしい知識に飛びついて朝夕心を騒がせ気をいら立てる必要は毛頭ないのである。
— 寺田寅彦 『一つの思考実験』 青空文庫
然るに新聞紙の材料は巧遅なるよりは拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき含蓄ある説明よりは手取早く呑込む事の出来る記実、噛占めて益々味の出るものよりは舌の先きで甞めて直ぐ賞翫されるものが読者に受ける。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
これは彫刻というような特殊の芸術を需要の多いのに任せて濫作する弊……拙速を尚んで、間に合せをして、代金を唯一目的にする……すなわち余りに商品的に彫刻物を取り扱い過ぎるところの悪習ともいえましょう。
— 「木寄せ」その他のはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
「早飯、早陣、早|走り」――何事も拙速を尊ぶのが戦国時代の生活法で、早陣というのは陣立てするのに神速を尊ぶことである。
— 国枝史郎 『蔦葛木曽棧』 青空文庫
何ぞ軽快拙速、局面を打破し、然る後|徐に地を占め石を布くの、勝れりと為すに如んや。
— 徳富蘇峰 『吉田松陰』 青空文庫
調査というと、研究よりも一段低級のもののように考えられ、その成果もガリ版などで速報的に処理されるので、作業そのものが拙速で権威のない仕事に陥りがちである。
— 中井正一 『調査機関』 青空文庫
わが国では、学者というとひどく迂遠であり、また調査マンというとひどく拙速屋であって、両極端をなしているが、先進国では両者の距離はもっと接近しているようだ。
— 中井正一 『調査機関』 青空文庫
議会はいつ開かれるのかまだ決定していないらしいが、内務省は拙速主義でその成案を得ることにするそうである。
— 戸坂潤 『社会時評』 青空文庫
作例 · 標準
壊れた水道管は、応急処置として拙速な修理で済ませた。
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締め切りが迫っていたので、まずは拙速でレポートの草稿を作成した。
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この場をしのぐための拙速な対応だが、後でちゃんと見直そう。
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