迷わす
まよわす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to puzzle
文例 · 用例
迷信とは少し事変るがいわゆるゴシップの人を迷わす例がある。
— 寺田寅彦 『徒然草の鑑賞』 青空文庫
同時に今までは、お雪を救うために造られた、巌に倚る一個白面、朱唇、年少、美貌の神将であるごとく見えたのが、たちまち清く麗しき娘を迷わすために姿を変じた、妄執の蛇であると心着いたが、手も足も動かず、叫ばんとする声も己が耳には入らなかった。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
自分の踊りの技巧が相手の女の生理を迷わすことを知っていたから、恋をしながら陽子とは踊ろうともしなかったくらいだのに、いま陽子の触感を求めている。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
自分の感じていることのまあ全部ではないとしてもその大部分は、この部屋の陰気な家具――吹きつのってくる嵐の息吹に吹きあおられて、ときどき壁の上をゆらゆらと揺れ、寝台の飾りのあたりで不安そうにさらさらと音をたてている、黒ずんだぼろぼろの壁掛け――の人を迷わすような影響によるものだと無理に信じようとした。
— THE FALL OF HOUSE OF USHER 『アッシャー家の崩壊』 青空文庫
かほど正確を以て聞えた宝典も、巻|累なればかかる記事の矛盾もありて読者を迷わす。
— 蛇に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
」「目の毒になるだけで、人を迷わすばかりだから、べっぴんというやつあ気に入らねえといってるんだ」「なんです!
— 因縁の女夫雛 『右門捕物帖』 青空文庫
ところで、この六境をまた「六塵」ともいうことがありますが、この場合、「塵」とは、ものを穢すという意味で、私たちの浄らかな心を汚し、迷わすものは、つまりこの外からくる色と声と香と味と触と法とであるから、「六|境」をまた「六|塵」ともいうのです。
— 高神覚昇 『般若心経講義』 青空文庫
犯罪事件が迷宮に入ると警察は沢山の匿名の手紙を受取るのが常であって、時には犯人自身が匿名の手紙を出して警察を迷わすようなことがあるが、今回集った手紙の中に、例のタイプライターで書かれたものは一つもなく、また素人たちの探偵的暗示にも、何一つ当を得たものはなかった。
— 小酒井不木 『恐ろしき贈物』 青空文庫
作例 · 標準
彼女の甘い言葉は、冷静な判断を狂わせ、多くの男性の心を迷わせてきた。
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巧妙な嘘を並べて人を迷わすような真似は、断じて許されることではない。
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複雑に入り組んだ洞窟の構造が、探検隊の方向感覚を激しく迷わせた。
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