夜色
やしょく
名詞
標準
shades of night
文例 · 用例
但しこの白色の光を出すためには同燭力の黄色の光を出すに比べてほとんど倍の費用を要する故、あまり経済ではないが、しかしリボン商等のごとき、昼夜色染の貨物を取り扱う家では、この白光は非常に有用なものであろう。
— 寺田寅彦 『ムーア灯』 青空文庫
そう見られる黝み方で山は天地を一体の夜色に均された。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
向うの丘の塊りからは一筋の細い流れが、なんの動搖も示さずに流れてゐて、その夜色を帶びた暗青色で、灌木どもの緑いろをした炎を怯やかしてゐます。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『トレドの風景』 青空文庫
二十四にもなって高島田に厚化粧でもあるまい」 かくて白糸は水を聴き、月を望み、夜色の幽静を賞して、ようやく橋の半ばを過ぎぬ。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
沈痛の呻吟この時、闇重き夜色のなかに蓬髪の男|蹌踉き落涙す、蒼白き頬に。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
獨り奔然一瀉し來る溪泉の水灑々として所在に簾を垂るゝもの、夜色を得て凄凉の氣更らに深きを多とするのみ。
— 長塚節 『草津行』 青空文庫
時正に深更夜色沈々只鳴るものは鎧の草摺のかすかな音のみである。
— 菊池寛 『川中島合戦』 青空文庫
「おめえでも、風景が判るかい」「判るさ、俺はこれでも、漢詩の平仄を並べたことがあらあ、酔うて危欄に倚れば夜色幽なり、烟水蒼茫として舟を見ず、どうだい、今でも韻字の本がありゃ、詩ぐらいは作れるぞ」 丹前が口を入れた。
— 田中貢太郎 『春心』 青空文庫
作例 · 標準
都会の喧騒が消え、街は深い夜色に包まれていった。
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窓の外に広がる夜色の景色を眺めながら、静かにウイスキーを傾ける。
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詩人は、恋人と別れた後の孤独な心情を「冷たい夜色」と表現した。
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