蚕室
さんしつ
名詞
標準
silkworm-raising room
文例 · 用例
薄暗い蚕室の中で――腐刑施術後当分の間は風に当たることを避けねばならぬので、中に火を熾して暖かに保った・密閉した暗室を作り、そこに施術後の受刑者を数日の間入れて、身体を養わせる。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
暖かく暗いところが蚕を飼う部屋に似ているとて、それを蚕室と名づけるのである。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
彼は、今自分が蚕室の中にいるということが夢のような気がした。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
その通り蚕室は初子の日初めて掃除したので、子の日を用ゆるは専ら鼠害を厭する意と見える。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
旧を洗ってみた日には、余り大きな顔をして表を歩けた義理でもないじゃないか」 養蚕室にあてた例の薄暗い八畳で、給桑に働いていたお島は、甲高なその声を洩聞くと、胸がどきりとするようであった。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
養父はどうかすると、蚕室にいるお島の傍へ来て、もうひきるばかりになっている蚕を眺めなどしていた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
半ば閉った蚕室の雨戸に日が射していて、桐の花が高い梢の頂きで孤独な少い筒を立てていた。
— 横光利一 『旅愁』 青空文庫
損の埋合せをするつもりで、俄にすばらしい蚕室を建て、七八人も人を入れて春蚕の種を三十枚も掃き立てた。
— 金田千鶴 『夏蚕時』 青空文庫
作例 · 標準
農家の裏庭には、蚕を飼育するための清潔な蚕室があった。
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昔の蚕室は、温度や湿度が厳密に管理されており、職人の技が光っていた。
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蚕室から聞こえる、蚕が桑の葉を食べる音が、夏の風物詩だった。
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