作り声
つくりごえ
名詞
標準
feigned voice
文例 · 用例
マルセーユの夜の酔泥れた女騎兵士官の寝床、売春婦の体温が軍服に滲みでて、私が彼女が卒倒しない程度で号令をかけるのだが、たちまちアダが軍帽の下にクレオンで愛情を描くと、卵色の口を開いて作り声を出すと、ねえ、つきあえよ、Y。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
四五人、五六人という群れになって北山おろしの木枯らしに吹かれながら軒並みをたずねて玄関をおとずれ、口々にわざと妙な作り声をして「カイツットーセ」という言葉を繰り返す。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
「子供等よ、騒ぐでないぞ、森の菌霊が臼搗くときぞ」 むす子は、おかしさが口の端から洩れるのをそのまま、子供等に対する家長らしい厳しい作り声をあっさり唇に偽装して、相手の群に発音し終ると、くるりと元の方向に踏み直って歩き出した。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
「徳さんかえ」 徳さんという男の地声を知らないので、半七は早速に作り声をするわけにも行かなかった。
— あま酒売 『半七捕物帳』 青空文庫
いくらか作り声をしているらしいので、これもよくは判らなかったが、その声音に著しい国訛りはきこえないようであったと長左衛門は云った。
— 異人の首 『半七捕物帳』 青空文庫
だめですね』などと言ってまた『いい聞き手のおいでになった時にはもっとうんと弾いてお聞かせなさい』こんな嫌味なことを言うと、女は作り声をして『こがらしに吹きあはすめる笛の音を引きとどむべき言の葉ぞなき』などと言ってふざけ合っているのです。
— 帚木 『源氏物語』 青空文庫
弟の伊八が作り声をして、兄の幽霊に化けているということはもう判り過ぎるほどに判ってしまった。
— 岡本綺堂 『真鬼偽鬼』 青空文庫
」 私は、内心酷くてれ臭さかつたが、顔つきは自信あり気に、太い作り声で厳しさうにうなつた。
— 牧野信一 『秋・二日の話』 青空文庫
作例 · 標準
子供は、おもちゃが欲しい時に甘えたような作り声を出した。
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彼の作り声は、まるで別人かのように聞こえ、皆を驚かせた。
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電話口で、彼女は慌てて作り声で対応した。
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