放擲
ほうてき
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
標準
abandoning
文例 · 用例
それも熔岩と砂礫の互層や、岩脈のほとばしりを露出して、整然たる成層美を示すところもあるが、多くは手もつけられないほど、砂礫や灰を放擲したようで、紛雑を極めている。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
愛のため、ニコロの愛欲の満腹のためには、私は未来の歓楽もビイクトリア勲章の憧れさえも、放擲する考えだ。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
回教徒が三十日もの間毎日十二時間の断食をして、そうして自分の用事などは放擲して礼拝三昧の陶酔的生活をする。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
笠井さんは、それまでの不断の地味な努力を、泣きべそかいて放擲し、もの狂おしく家を飛び出し、いのちを賭して旅に出た。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
その夜かぎり、粋人の服装を、憤怒を以て放擲したのである。
— 太宰治 『服装に就いて』 青空文庫
彼はいかなる書物でもけっして机の上や、座敷の真中に放擲するようなことなどはしない。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
そこで彼の權官は首尾よく天下の名石を奪ひ得てこれを案頭に置て日々眺めて居たけれども、噂に聞きし靈妙の働は少しも見せず、雲の湧などいふ不思議を示さないので、何時しか石のことは打忘れ、室の片隅に放擲して置いた。
— 國木田獨歩 『石清虚』 青空文庫
ことにこの一、二年はこの詩集すら、わずかに二、三十巻しかないわが蔵書中にあってもはなはだしく冷遇せられ、架上最も塵深き一隅に放擲せられていた。
— 国木田独歩 『小春』 青空文庫
作例 · 標準
彼は都会での華やかなキャリアを全て放擲して、山奥の古民家で自給自足の生活を始めた。
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リーダーとしての責任を途中で放擲して逃げ出すような真似は、社会人として決して許されない。
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長年連れ添った配偶者に財産の全てを放擲され、彼は一晩にして住む場所さえ失ってしまった。
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