偽称
ぎしょう
名詞動詞-サ変
標準
assuming a false name
文例 · 用例
そうしてその方が私の事務所に相談に来たのに尾行して、私が留守の為に空しく帰る所を、私だと偽称して、部下を警護にやると欺いて帰えし、それから巧みに変装して木村の部下と名乗って同車したのです。
— 甲賀三郎 『急行十三時間』 青空文庫
そのお吉があの山の郷で、一揆衆と偽称した浪人どもに、残酷なはずかしめを受けたばかりか、有金をさえ奪われた。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
存じておればこそ、かくまで膝を屈して願い入るのじゃ」「さあ、そこだが……」「なあ豆太郎どの、それほどの剣技をもちながら、あのような獣皮をかぶって唐人|劉などと偽称し、いたずらに衆人の前に立って女子供の機嫌を取り結ぶがごときは、いわばこれ宝の持ちぐされ――その方みずから惜しいと思ったことはないかな!
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫
邪説を偽称して法を村邑の間に広めるものもある。
— 和辻哲郎 『古寺巡礼』 青空文庫
シナ人の数はこれより多きも、ブラジル国、アルゼンチン国およびチリ国にては、シナ人自ら日本人と偽称しおるもの多き由。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
弁士の届出に米人ガストルを単税太郎と書いて日本人らしく偽称したということと、彼の演説中に暴動を煽動するような言説があったのが忌諱にふれたのであった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
この者、それがしの姓をかたり、それがしの剣名を偽称し、諸国よからぬ事してあるきたれば、捕えて、面貌を衆に示すものなりわが姓、わが流、天下に二なし巌流 佐々木小次郎「よし」 墨のような松かぜが、松林の中を、ぐわっと潮みたいに鳴って行った。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
事の始まりはあの夜、始めてマーク・フェンウィックをグレイトエンパイア・ホテルで見たときだ、億万長者と偽称し、連れの女が娘だという。
— The Mystery of the Four Fingers 『謎の四つ指』 青空文庫