温暖
おんだん
形容動詞名詞頻度ランク #5477 · 青空 114 例
標準
warm
文例 · 用例
そこには何かしら、或る物なつかしい、昔々母の懐中でまどろむやうな、或はまた焚火の温暖を恋するやうな、人間情緒の本質に遺伝されてる、冬の物侘しい子守唄の情緒がある。
— 萩原朔太郎 『冬の情緒』 青空文庫
すなわち地面に近く著しく寒冷な気層があって、その上に氷点以上の比較的温暖な気層のある場合に起る現象である。
— 寺田寅彦 『凍雨と雨氷』 青空文庫
また中層の温暖な層の上に雪雲がある場合には、そこから落ちる雪片の一部は中層を通る時に半融解して後に再び寒冷な下層に入って氷結し、前に挙げた特殊の形になるものと考えられる。
— 寺田寅彦 『凍雨と雨氷』 青空文庫
熊本地方は温暖であるがうえに、風のないよく晴れた日だから、冬ながら六千尺の高山もさまでは寒く感じない。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
たとえばスカンディナヴィアの神話の中には、温暖な国の住民には到底思いつかれそうもないような、驚くべき氷や雪の現象、あるいはそれを人格化し象徴化したと思われるような描写が織り込まれているのである。
— 寺田寅彦 『神話と地球物理学』 青空文庫
陽は温暖に降り洒ぎ、風は花々|揺つてゐた。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
さてこの物語の起った年は、師走から春の七草かけて、一たびも日金が颪さず、十四五年にも覚えぬという温暖さ、年の内に七分咲で、名所の梅は花盛り、紅梅もちらほら交って、何屋、何楼、娘ある温泉宿の蔵には、雛が吉野紙の被を透かして、あの、ぱっちりした目で、密と覗いても見そうな陽気。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
三島街道に十國峠あり、今日は風凪ぎ氣候温暖。
— 泉鏡太郎 『熱海の春』 青空文庫