塊然
かいぜん
副詞-と形容詞-たる
標準
isolated
文例 · 用例
利休の指点したものは、それが塊然たる一陶器であっても一度その指点を経るや金玉ただならざる物となったのである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
利休の指点したものは、それが塊然たる一陶器であつても一度其の指点を経るや金玉たゞならざる物となつたのである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
第七章 茫々たる世間に放れて、蚤く骨肉の親むべき無く、況や愛情の温むるに会はざりし貫一が身は、一鳥も過ぎざる枯野の広きに塊然として横はる石の如きものなるべし。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
彼はここに於いて曩に半箇の骨肉の親むべきなく、一点の愛情の温むるに会はざりし凄寥を感ずるのみにて止らず、失望を添へ、恨を累ねて、かの塊然たる野末の石は、霜置く上に凩の吹誘ひて、皮肉を穿ち来る人生の酸味の到頭骨に徹する一種の痛苦を悩みて已まざるなりき。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
然れども星遷り世變り、之が洒掃の勞を取るの人なく、雨雪之れを碎き、風露之れを破り、今や塊然として土芥に委するも人絶えて之を顧みず、先人の功名得て而して傳ふべきなし。
— 高山樗牛 『人生終に奈何』 青空文庫
たいてい人のこの世に生まるる、あによく塊然として徒処せんや。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
安井息軒曰、死者有知乎、我不得而知之也、死者無知乎、我不得而知之也、塊然之形化為穢土、而魂気則無所不之乎、我不得而知之也、倏忽乎来、倏忽乎去、禍福糾縄、孰知其極、所可知者、独生人之道而已。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫
塊然の形、化して穢土となる。
— 井上円了 『通俗講義 霊魂不滅論』 青空文庫