浮浪人
ふろうにん
名詞
標準
vagrant
文例 · 用例
犀星の評によれば、僕もまた彼と同じく、馬込村に於ける劍客の一人であるさうだが、僕がもし武士としても、月代をのばした浪人組の部類であつて、彼の藩士の眼から見れば、一個の浮浪人にすぎないだらう。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に就いて』 青空文庫
ドック近くの裏町の門々にたたずむ無気味な浮浪人らの前をいばって通り抜けて川岸へくると護岸に突っ立ったシルクハットのだぶだぶルンペンが下手な掛け図を棒でたたきながら Die Moriat von Mackie Messer を歌っている。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
殺されたというのは、その老夫婦ですが……イヤイヤこの頃この国道にはソンナ浮浪人は通らないようです。
— 夢野久作 『巡査辞職』 青空文庫
戸外の漫歩生活ばかりをする私は、生れつき浮浪人のルンペン性があるのか知れない。
— 萩原朔太郎 『秋と漫歩』 青空文庫
それは同じ長屋に住む浮浪人たちの毎度の食べものを表に作って記したものでありました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
その中には、浮浪人もかなりたくさんいて、いろいろわるいことばかりするので、警察も急にいろいろのやかましい法令をつくり、ついで衛生上のことにもあれこれと手をつくし出した結果、恐水病をふせぐために、町中に、のら犬を歩かせないことにきめてしまいました。
— 鈴木三重吉 『やどなし犬』 青空文庫
葉生 浮浪人、二十六、七の背のひょろ長い髪の赤茶けた碧い眼の青年。
— ――序に代へて―― 『涼亭』 青空文庫
李希梅 そうですよ、どこの者かも判らない浮浪人ですよ。
— ――序に代へて―― 『涼亭』 青空文庫