獄衣
ごくい
名詞
標準
prison uniform
文例 · 用例
ソヴェトの裁判が公開であるということ、監獄が、後れた労働者をよい労働者に仕上げて出すためのところと考えられているということ、獄衣などないこと等、こまかく一つ一つ日本の有様とひき比べての演説は実に聞いていて飽きません。
— 宮本百合子 『共産党公判を傍聴して』 青空文庫
假令獄衣を身に纒ふやうな恥づかしめを受けようと、レエイプしてもとまで屡思ひ詰めるのだつた。
— 嘉村礒多 『業苦』 青空文庫
茶っぽい粗布の獄衣を着せられた活人形がその中で、獣のような抑圧と闘いながら読書している革命家の姿を示している。
— 宮本百合子 『刻々』 青空文庫
「見|給え是は疑いも無く牢屋の窓格子に穿めてあったものだよ」 其時、畑の畦の中から何か堀り出した大井刑事が驚いたような顔をして飛んで来たが、「こんな物が出て来ました」 見れば赤い獄衣である。
— ―破獄の志士赤井景韶― 『国事犯の行方』 青空文庫
――武東氏は獄衣を手に取り乍ら、「これは恐らく斯うだろう、犯人の破獄囚は情を明かし、否寧ろ嚇し付けて俥に乗って此処まで来たが車夫の密告が怖くなった処から、車夫を殺して着物を剥ぎ、そいつを着て車夫に化け、俥を曳いて逃亡したのだろう。
— ―破獄の志士赤井景韶― 『国事犯の行方』 青空文庫
監視人が付添って、よく赤いべべを着せるぞといったあの赤い、木綿をただ紅殻で染めたような獄衣を着て、ゾロゾロと外を歩いたことを憶えている。
— 柳田国男 『故郷七十年』 青空文庫
元来尊者は身に赤色の三衣を纒わねばならぬ御身分ですが、罪人となって白い獄衣を着けて居られる上に荒繩で縛られたまま静かに坐禅して経を読んで居られましたが、やがて経を読みおわり繩目の間から少しく指を挙げて一度|爪弾きをされたその時は、岸辺に群がる見送人は一時にワーッと泣き出したそうでございます。
— 河口慧海 『チベット旅行記』 青空文庫
いがぐり頭になって、煉瓦色の獄衣を着て、それでも歴史の前途はいとど明るし、という眼色でいる重吉は、このうねる熱さを彼の掌のなかにうけとった時、自分たち二人が時間と距離とにへだてられつつ、結ばれて生きて来た年月を何と顧るだろう。
— 宮本百合子 『播州平野』 青空文庫
作例 · 標準
映画のシーンでは、主人公が灰色の一張羅の獄衣を着ていた。
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囚人たちは同じ獄衣を身につけ、静かに作業を続けていた。
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獄衣に袖を通すことになった彼の未来は、希望が見えなかった。
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