濃化
のうか
名詞動詞-サ変
標準
thicken
文例 · 用例
私がホテルの寝床からそのまま父の輸出綿花事務所へやってくると、夜の疲労をぬりかくした、濃化粧したタイピストが電話機の電鍵を敲くように、昨夜の記憶を白紙にうずめていた。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
昨夜のままの濃化粧と、口紅のクッキリとした、高島田の金元結の艶めかしい、黒い大きな瞳を一パイに見開いた人形のような瓜実顔が、月の光りに浮彫りされたまま、半分以上雨樋の蔭から覗き出して、彼の姿を一心に凝視しているのであった。
— 夢野久作 『笑う唖女』 青空文庫
オールバックに濃化粧、漆のような引き眉に毒々しい頬紅口紅をつけ、青地か紫色の綿紗に黒手袋、白絹模様入りの靴下に白鞣の靴の踵を思い切り高くして、虹のようなショールを波打たせながら八方に眼を配って行く……といったような女学生をいきなり不良とは断定できぬ。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
二十年の間も繋ぎッ放しになって、沈没させることしかどうにもならないヨロヨロな「梅毒患者」のような船が、恥かしげもなく、上べだけの濃化粧をほどこされて、函館へ廻ってきた。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
海国から輸入された鯡が山国信濃化されて鯡昆布巻となつて特殊の味と値とを持つた。
— 種田山頭火 『旅日記』 青空文庫
「あ、そろそろお池の方を廻って帰りましょうか」 水浅黄っぽい小紋の着物、肉づきのよい体に吸いつけたように着、黒繻子の丸帯をしめた濃化粧、洋髪の女。
— 宮本百合子 『百花園』 青空文庫
彫の深い面のような顔、表札の陶に似た濃化粧だ。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
衣擦れの音がして、襖が開くと「お久し振り」 将曹の愛妾、お高が、真紅の襟裏を、濃化粧の胸の上に裏返して、支那渡りの黒繻子、甚三紅の総絞りの着物の、裾を引いて入って来た。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
作例 · 標準
工業廃水を浄化する際に、有害物質を濃化させる技術が開発された。
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溶液を蒸発させることで、目的の成分を効率よく濃化することができる。
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この装置は、特定のガスを濃化させるための特殊なフィルターを備えている。
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