誘起
ゆうき
名詞動詞-サ変
標準
evocation
文例 · 用例
自展的観念が誘起する記憶以外の記憶は、たゞ雑念に過ぎないものだ。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
具体的に云えば地辷り等がある限界内に止まれば、それだけにて止むも、少しにてもこれを超ゆれば他の弱点の破壊を誘起して更に大なる変動を起す事もあるべく、その際如何なる弱点が誘発さるるやはまた偶然的なる地下の局部的構造によると考えらる。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
さて、これらの大地震によって表明される地殻の歪は、地震のない時でも、常にどこかに、なんらかの程度に存在しているのであるから、もし適当な条件の具備した局部の地殻があればそこに対し小規模の地震、すなわち地鳴りの現象を誘起しても不思議はないわけである。
— 寺田寅彦 『怪異考』 青空文庫
斯う考へると、實に愉快で/\堪らぬ、今や吾等の眼には、たゞ希望の光の輝くのみで、誰か人間の幸福を嫉む惡魔の手が、斯る時――かゝる間際に兎角大厄難を誘起すものであるなどゝ心付く者があらう。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
此は特に張る氣のみ然るのでは無い、人はすべて共鳴作用の如き心理を有するのであるから、甲人の萎えた氣は乙人の萎えた氣を誘起し、丙人の散る氣は丁人の散る氣を誘起する。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
かうして、江戸幕府が、自家の道徳的立場を擁護せんとして奨励した学問は、国体観念を勃興せしめ、それと不可分なる尊皇思想の擡頭を誘起してゐるのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
これは特に張る気だけがそうなのではない、人はすべて共鳴作用のような心理を持つから、甲人の萎えた気は乙人の萎えた気を誘起し、丙人の散る気は丁人の散る気を誘起する。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
この一政変は第三期の政論にすこぶる大なる誘起力を与え、期成同盟会に入らざりしかの翻訳的論派は一変して一の強大なる政論派を成すに至れり。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
作例 · 標準
事故が連鎖的に誘起され、大規模な災害へと発展した。
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特定の周波数の音波が、建物の共振を誘起する可能性がある。
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彼の挑発的な発言が、聴衆の怒りを誘起した。
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