横倒し
よこだおし異読 よこたおし
名詞
標準
falling over
文例 · 用例
御手洗の屋根も横倒しになって潰れている。
— 寺田寅彦 『静岡地震被害見学記』 青空文庫
比較的新しい方の例で自分の体験の記憶に残っているのは明治三十二年八月二十八日高知市を襲ったもので、学校、病院、劇場が多数倒壊し、市の東端|吸江に架した長橋|青柳橋が風の力で横倒しになり、旧城天守閣の頂上の片方の鯱が吹き飛んでしまった。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
割に流れのある水はともすれば彼を横倒しにしさうになつた。
— 南部修太郎 『一兵卒と銃』 青空文庫
この最後の努力でわずかに残った気力が尽き果てたか、見る見るからだの力が抜けて行って、くず折れるようにぐったりと横倒しに倒れてしまう。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
起上り小法師をころがす様に、手のない人形は横倒しにされた。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
――工事中土瓦のもり上つた海邊橋を、小山の如く乘り來る電車は、なだれを急に、胴腹を欄干に、殆ど横倒しに傾いて、橋詰の右に立つた私たちの横面をはね飛ばしさうに、ぐわんと行く時、運轉臺上の人の體も傾く澪の如く黒く曲つた。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
で、金屏風の背後から謹んで座敷へ帰ったが、上段の室の客にはちと不釣合な形に、脇息を横倒しに枕して、ごろんとながくなると、瓶掛の火が、もみじを焚いたように赫と赤く、銀瓶の湯気が、すらすらと楊貴妃を霞ませる。
— 泉鏡花 『みさごの鮨』 青空文庫
それが高くふりあげられ、力を込めてまつすぐに打ちおろす時、あれらの家屋は破壞され、めちやくちやになり、警官の如きもの、隊長の如きもの、ビア樽の如きもの、横倒しにされ、その遠心力でもつて舞臺の圈外へ吹つとばされる。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫