火屋
ほや
名詞
標準
lamp chimney
文例 · 用例
その出し過ぎた心の右の端が高くなっていて、火屋に黒い油煙をつけていた。
— 梶井基次郎 『不幸』 青空文庫
七 親父はその晩、一合の酒も飲まないで、燈火の赤黒い、火屋の亀裂に紙を貼った、笠の煤けた洋燈の下に、膳を引いた跡を、直ぐ長火鉢の向うの細工場に立ちもせず、袖に継のあたった、黒のごろの半襟の破れた、千草色の半纏の片手を懐に、膝を立てて、それへ頬杖ついて、面長な思案顔を重そうに支えて黙然。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
しろ/″\と霜柱のやうに冷たく並んで、硝子火屋は、崖の巖穴に一ツ一ツ窓を開けた風情に見えて、ばつたり、燈が消えたあとを、目の屆く、どれも是も、靄を噛んで、吸ひ溜め吸ひ溜め、透間を覗いて切れ/″\に灰色の息を吹出す。
— 泉鏡太郎 『三人の盲の話』 青空文庫
小さな松火は真暗な中に、火鉢の前に、壁の隅に、手拭の懸った下に、中腰で洋燈の火屋を持ったお雪の姿を鮮麗に照し出した。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
形怪しき火取虫いと大きやかなるが、今ほど此室に翔り来て、赫々たる洋燈の周囲を、飛び廻り、飛び狂い、火にあくがれていたりしが、ぱっと羽たたき火屋の中へ逆さまに飛び入りつ、煽動に消える火とともに身を焦してぞ失せにけり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
」 促げても頓着せず、何とか絶えず独言つつ鉄葉の洋燈に火屋無しの裸火、赤黒き光を放つと同時に開眸一見、三吉|慄然として「娑婆じゃねえ。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
※と明くなって旧の通洋燈が見えると、その膝に乗られた男が――こりゃ何です、可い加減な年配でした――かつて水兵をした事があるとか云って、かねて用意をしたものらしい、ドギドギする小刀を、火屋の中から縦に突刺してるじゃありませんか。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
ぐるりとその両側、雨戸を開けて、沓脱のまわり、縁の下を覗いて、念のため引返して、また便所の中まで探したが、光るものは火屋の欠も落ちてはいません。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
作例 · 標準
停電になったので、古い石油ランプに火屋をつけ、部屋を照らした。
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キャンプで使うランタンは、風から炎を守るためのガラスの火屋がついている。
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火屋が煤で汚れてきたので、きれいに拭き取ってから再びランプに取り付けた。
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ウィキペディア曖昧さ回避
火屋(ひや) 火葬場のこと。 火屋、火舎(ほや) ランプの火を覆う、ガラスから作られた透明な筒。⇒ランプ (照明器具)、ガス灯を参照。 香炉、手あぶりの蓋。⇒香炉、火鉢を参照。
出典: 火屋 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0