実用品
じつようひん
名詞
標準
article for everyday use
文例 · 用例
何サ、芸術は衣食的実用品ではないのである。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
芸術といふものが、衣食的実用品ではなくて、謂はば臨時に生の余剰価値をこの人生に附加することであるから、つまり創造であるから、「存在の姿」を持つといふことは何を措いても必須のことである。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
しかし、考えてみると、団扇や扇のようなものは元来どこまでが実用品で、どこまでが玩弄品であるか、それはわからない。
— 寺田寅彦 『錯覚数題』 青空文庫
自分は子供の頃から病弱で、よく寝込みましたが、寝ながら、敷布、枕のカヴァ、掛蒲団のカヴァを、つくづく、つまらない装飾だと思い、それが案外に実用品だった事を、二十歳ちかくになってわかって、人間のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
だから丸善で売れる一日に百本の万年筆の九十九本迄は、尋常の人間の必要に逼られて机上若くはポッケット内に備え付ける実用品と見て差支あるまい。
— 夏目漱石 『余と万年筆』 青空文庫
斯の如く、固有性に於て慰藉物なるもの、附属性に於て実用品たることあり(之と反対の例をも見よ)。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
(梅桜と東洋文学の関係に就きては他日詳論することあるべし)これと同じく家具家材の実用品と共に或種類の装飾品も亦た、多少実用の性質あるなり。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫
屏風は実用品なり、然れども、白紙の屏風といふものを見たる事なきは何ぞや。
— 北村透谷 『明治文学管見』 青空文庫