感傷家
かんしょうか
名詞
標準
sentimentalist
文例 · 用例
大したことでもないけれど、家庭的な悲劇といふものを何時も目の前にしてゐなければならない私は、そしてその悲劇なるものが常に我々のセンチメントのために悲劇であると観た私は、自分が人一倍感傷家であるといふことが歯痒ゆかつた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
所詮、私は、一箇の感傷家にすぎないのではないのか。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
作品の中の君は単純な感傷家で、しかもその感傷が、たいへん素朴なので、自分は、数千年前のダビデの唄をいま直接に聞いているような驚きをさえ感じました。
— 太宰治 『風の便り』 青空文庫
心中する者より碑を建てる側の方がよほど感傷家だ。
— 岡本かの子 『狐』 青空文庫
)――こいつを云ひ換へて、この哲学的試業といふ言葉の代りに、芸術的試業、称び換へて――君よ、感傷家よ、天上のオリオン座を仰げよ、美に至る真理の道を探究せんがための方法の通説、並びにその方法の試業として……さあ、其処へ君の勝手な普通名詞を挿入したまへ、ロマンとも、ドラマとも、またエツセイとも――。
— 牧野信一 『卓上演説』 青空文庫
」 こんな比喩はまったく途方もないけれど、言葉をもって僕は反敵こそはしなかったが、(それは前述の如きわけで、僕は感傷家ではあったが、決して無下に弱くもなく、狡いわけでもないのだ。
— 牧野信一 『喧嘩咄』 青空文庫
」と私は舌を打つたが、斯んな場合でも相手が振り棄てぬ限りは後を伴いて行かうとする私は、奇妙な感傷家だつた。
— 牧野信一 『熱い風』 青空文庫
それも此方が離れるといふのではなく大概相手の方で、私のカラ元気でお調子者で、性格にも思想にも生活にも何の厚みもなく、ペラペラと安ツぽいことばかりを喋舌つたり、薄ツぺらな感情に動かされて酷く感傷家がつたりするより他に何もないことを見抜いて、誰でも愛想を尽かして了ふのが常だつた。
— 牧野信一 『妄想患者』 青空文庫
作例 · 標準
彼は昔からどこか感傷家(かんしょうか)なところがあって、古い映画を観るとよく涙ぐむんだ。
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純文学の世界では、主人公が繊細な感傷家(かんしょうか)として描かれることが多い。
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「もう、あなたは感傷家(かんしょうか)なんだから!」と友人は笑って私に言った。
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