耳底
じてい
名詞
標準
ears
文例 · 用例
耳底に女の好物でものこるように、交響楽によって嗜色人の踊がはじまると、軍隊的な組織も粋な衣服にかくれて、部屋にいる人間の甘い唾液のなかを、安南の××がとおりぬけるのだ。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
その言葉が特別に園に縁遠い言葉としてかえっていつまでも耳底に残った。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
横の町も、縦の町も、角も、辻も、山下も、坂の上も、隣の小路もただ人のけはひの轟々とばかり遠波の寄するかと、ひツそりしたるなかに、あるひは高く、あるひは低く、遠くなり、近くなりて、耳底に響き候のみ。
— 泉鏡花 『凱旋祭』 青空文庫
学生の丁寧に落着いた言葉が、初め鼓膜まで硬直した京子の耳底に微かに聞えて、だんだんはっきりと聞えて来た。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
十年前|臨終の床で自分の手をとり泣いて遺命した父の惻々たる言葉は、今なお耳底にある。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
」という声を、自分の耳底に聞くような気がした。
— 佐左木俊郎 『土竜』 青空文庫
そして、ぴゅんという音の余韻が耳底に続き、その中で正勝の、安心していろ!
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
二十五六年前の事なるが、友の擧げし悲鳴は、今もなほ耳底に存するを覺ゆる也。
— 大町桂月 『多摩川冒險記』 青空文庫
作例 · 標準
あの歌手の美しい歌声は、今でも私の耳底に響いている。
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子供の頃に聞いた民話が、なぜか耳底から離れない。
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その衝撃的なニュースは、人々の耳底に深く刻み込まれた。
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