潮煮
うしおに
名詞
標準
boned white fish boiled in salted water
文例 · 用例
潮煮の鯛の目、鮑の蒸したのが涼しそうで、熱燗の酒がヒヤリと舌に冷いくらい――貴女が云った自棄ですか―― 夕方、今しがた一時は、凪の絶頂で口も利けない。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
当日の朝になると、まだ暗いうちに一帳羅のフロックコートを着て、金鎖を胸高にかけて、玄関口に寄せかけた新調の自転車をながめながら、ニコニコ然と朝飯の膳に坐ったが、奥さんの心づくしの鯛の潮煮を美味そうに突ついているうちに、フト、二三度眼を白黒さした。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
やがて鯛の潮煮などがテエブルの上に運ばれた。
— 島崎藤村 『山陰土産』 青空文庫
渇はやまず、うしほのみ、――ただ海の水、 いかにかせむ、玳瑁を焚きて潮煮たる。
— 蒲原有明 『獨絃哀歌』 青空文庫
料理当番が、島にいた正覚坊の、潮煮と焼肉を出した。
— 須川邦彦 『無人島に生きる十六人』 青空文庫
朝飯は、正覚坊の焼肉と、潮煮。
— 須川邦彦 『無人島に生きる十六人』 青空文庫
焼魚、潮煮、かめの油でいためたのもたべたが、これには、たいせつなたきぎを、使わなければならないから、たびたびはできない。
— 須川邦彦 『無人島に生きる十六人』 青空文庫
塩焼にも、うしおにも、一塩の干物にも、家族を喜ばすに足りるだろう。
— 佐藤垢石 『夜の黒鯛』 青空文庫