点景
てんけい
名詞
標準
persons or animals added to a picture
文例 · 用例
「灰汁桶のしずくやみけりきりぎりす」などはイディルレの好点景であり、「物うりの尻声高く名乗りすて」は喜劇中のモーメントである。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
夏目先生にその話をしたら早速その当時書いていた小説の中の点景材料に使われた。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
その河鹿は瀬の石と石との間に出来た小さい流れの前へ立って、あの奇怪な顔つきでじっと水の流れるのを見ていたのであるが、その姿が南画の河童とも漁師ともつかぬ点景人物そっくりになって来た、と思う間に彼の前の小さい流れがサーッと広びろとした江に変じてしまった。
— 梶井基次郎 『交尾』 青空文庫
それでたとえば軽い意味の助演者としてのスパークスなどという役者でも決してただのむだな点景人物ではなくて、言わば個性シンフォニーの中の重要な一楽器としての役目を充分に果たしているようである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
彼はこういう生活図面の設計の中に配置する点景人物として、図面に調和するポーズを若き妻に求めた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
点景人物の存在もゆるさない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
強ひて、点景人物を置かうとすれば、白いアツシを着たアイヌの老人でも借りて来なければならない。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
源平の昔にはこんな所に頼朝がその青春時代を送つたかと考へても、どうも鎧、兜の時代物風には想像しにくく、寧ろ牧歌的風景の中の点景人物として目に浮んで来ます。
— 木下杢太郎 『伊豆伊東』 青空文庫
作例 · 標準
風景画に人物を点景として加えることで、奥行きが生まれた。
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彼の絵は、静かな湖面に白鳥が数羽、点景として描かれていた。
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点景を効果的に配置することで、絵全体のバランスが良くなる。
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