軽舟
けいしゅう
名詞
標準
light boat
文例 · 用例
私たちの軽舟は急流に乗って、まだ大円日の金の光輝が十方に放射する、その夕焼けの真近をまたたく間に走り下って来た。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
一身軽舟ト為ル落日西山ノ際常ニ帆影ニ随ヒテ去リ遠ク長天ノ勢ヒニ接ス
— 牧野信一 『手紙』 青空文庫
私たちの軽舟は急流に乗つて、まだ大円日の金の光輝が十方に放射する、その夕焼の真近をまたたく間に走り下つて来た。
— 北原白秋 『日本ライン』 青空文庫
常に宇宙の深遠なる悲愁、神秘なる歓楽を覚ゆるものから、当代の愚かしき歌物語が、野卑陳套の曲を反復して、譬へば情痴の涙に重き百葉の軽舟、今、芸苑の河流を閉塞するを敬せざるのみ。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
一身軽舟トナリ、落日西山ノ側――か、到頭私は居酒屋の親爺に信用を搏してしまつたよ、歩きながらその弁舌を披露しませう。
— 牧野信一 『ゾイラス』 青空文庫
だが私は、それが鳥であらうとお雪であらうと頓着はなかつたが、無性に悲しくなつて、それならば試して見ようと点頭いて、「一身軽舟と為る――」 と胸を拡げて歌つた。
— 牧野信一 『ダニューヴの花嫁』 青空文庫
軽舟に棹さして悠暢に別荘への往復をするのだが、楓樹の多いこの庭が、ついた日の暮方夕立に濡れて何ともいえない風情であった。
— 宮本百合子 『九州の東海岸』 青空文庫
兩岸猿聲啼不住 両岸猿声啼いて住まらず、輕舟已過萬重山 軽舟已に過ぐ万重の山。
— 河上肇 『閑人詩話』 青空文庫