蘆荻
ろてき
名詞
標準
reeds
文例 · 用例
雨催の空濁江に映りて、堤下の杭に漣※寄するも、蘆荻の声静かなりし昔の様尋ぬるに由なく、渡番小屋にペンキ塗の広告看板かゝりては簑打ち払う風流も似合うべくもあらず。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
瀬田の長橋渡る人稀に、蘆荻いたずらに風に戦ぐを見る。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
編中に插入された水面の漣波、風にそよぐ蘆荻のモンタージュがあるが、この插入にも一脈の俳諧がある。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
それは川面の漣波に、蘆荻のそよぎに、昼顔の花に、鳥のさえずりに、ボロ服とボロ靴にあるのではないか。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
川は冬涸れて、ところ/″\に蘆荻を腐らした泥洲の影を刀身の錆に見せながら、残りの水は月光そのまゝの色を射返して、田畑の中をほとんど一本筋に南から北へ貫いております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
ただ二隻のランチに一隻ずつ曳かれた私たちの大|団平船が、沿岸に蘆荻が繁って、遥かの川上に中部樺太の山脈が仰がれ、白樺、ポプラ、椴松、蝦夷松の林を左右に眺めて、一時間も幌内の大河を溯航した壮快さを伝えて置きたい。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
分流は時に細い早瀬となり、蘆荻に添い、また長い長い木津の堤の並木について走る。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
この笠松はその昔「葦の洲」と称えた蘆荻の三角洲で、氾濫する大洪水の度ごとにひたった。
— 北原白秋 『木曾川』 青空文庫
作例 · 標準
夕暮れの光が、川岸に生い茂る蘆荻の穂を金色に染めていた。
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風が吹くたびに、広大な湿地の蘆荻が一斉にさわさわと音を立てて揺れる。
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水鳥が、身を隠すように蘆荻の茂みの中へと姿を消した。
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