残さず
のこさず
副詞
標準
all
文例 · 用例
山は晴れ、麓の富士桜は、咲きも残さず、散りも始めない一ぱいのときである。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
何もかも残さずに、総てを得なくてはならないという風に。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
不明瞭な点を残さず、悉くそれを赤ときめて、一掃してしまえば功績も一層|水際立って司令部に認められる。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
大隊長は、司令部へ騎馬伝令を発して、ユフカに於けるパルチザンを残さず殲滅せしめたと報告した。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫
三十二本の歯をすべて、一本も残さず金で巻いている。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
そして村からは、高等小学を出たばかりの、少年や、娘達を、一人も残さず、なめつくすようにその中ぶるの箱の中へ押しこんで。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
「それだけ皆な残さずに使ってもえいぜ。
— 黒島傳治 『窃む女』 青空文庫
この木ペンにはゴムもついていたと思いながら尻の方のゴムで消そうとしましたらもう今度は鉛筆がまるで踊るように二、三べん動いて間もなく表紙はあとも残さずきれいになってしまいました。
— 宮沢賢治 『みじかい木ぺん』 青空文庫