近代的
きんだいてき
形容動詞
標準
modern
文例 · 用例
いとも近代的な鬱憂の調子、即ち一種の夢みるやうな調子を備へ、この調子がその胸を刺すやうな悲痛の表現に魅力を添へてゐるのであつた。
— 中原中也 『デボルド―※ルモオル』 青空文庫
新宿ほどにも人出が多くて、新宿ほどにも非近代的な所はなからう。
— 萩原朔太郎 『悲しい新宿』 青空文庫
表現方法を考慮しては、自分で自分の個性的な情緒とみえるもの、即ち自分の抽象情緒を組立てることが近代的諸作家のやつたことなのである。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
菜の花や月は東に日は西に これも明るい近代的の俳句であり、万葉集あたりの歌を聯想される。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
単にこの種の詩ばかりでなく、前に評釈した俳句の中にも、詩想上において西欧詩と類縁があり、明治の新体詩より遥かに近代的のものがあったのは、おそらく蕪村が万葉集を深く学んで、上古奈良朝時代の大陸的文化――それは唐を経てギリシアから伝来したものと言われてる――を、本質の精神上に捉えていたためであろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
この温泉の空気を代表する浴客は、主として都会の中産階級の人であるが、とりわけさうした人たちの若い夫人や娘たち――と言つても、大磯や鎌倉で見るやうな近代的な、中凹みで睫毛の長い表情をした娘たちではない。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
とにかくそれまでにかかった他の御医者様の概念とはよほどちがった近代的な西洋人風な感じのする国手であった。
— 寺田寅彦 『追憶の医師達』 青空文庫
飲食も、コーヒー、シトロン、紅茶などの近代的芳香の飲料と、阿倍川もち、力もち、葛湯、麦粉などの中世的粗野なる甘味が供給される。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫